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「パンツ怖い」

​・前川 浩二(まえかわ こうじ)26歳 ♂

 カワイイの基準がわからない人で、何でもかんでも可愛いと言っているが本心から言っている。

 基本的には好き嫌いに関係なく可愛いと思っているが、嫌いなものは結構嫌い。

・漆塗 杏子(うるしぬり きょうこ)24歳 ♀

 おしとやかさを演じてはいるが、その中身は結構腹黒い。浩二とは大学生の頃からの友人関係。

 でも、密かに浩二に好意を抱いている。

~回想シーン~

浩二「君は可愛いんだから・・・もっと警戒心を持たないとね」

杏子「っえ・・・」

浩二「じゃあね」

杏子「あ、あのっ!あなたのお名前はっ?!」

浩二「えっ、あぁ・・・まいったな。まぁ、いいか。前川だよ。前川浩二」

杏子「前川さんっ。ありがとうございました!!」

浩二「うん、じゃあね」

 

 

~回想終了~

 

 

杏子「あれからもう6年かぁ・・・」

浩二「あははっ。何の話?」

杏子「私が浩二と出会った頃を思い出してたのー」

浩二「俺一応先輩なんだけどなぁ。まぁ、杏子のそういうとこも可愛いけど」

杏子「はいはい・・・」

浩二「ははっ。呆れ返ってる杏子も可愛いよ」

杏子「ありがとうねー」

浩二「そういえば、杏子。仕事の愚痴はもういいのか?せっかく久しぶりに杏子の家での宅飲みなんだし、

  俺に出来ることなら何でもするから、言って?」

杏子「あー、うん。それなんだけど・・・昔のいい思い出に免じて許してあげようかと思ってね」

浩二「あはは、そっかそっか。」

杏子「なんだかんだ言ってさぁ・・・こうやって整理できて思ったけど・・元はといえば私が悪いんだし。

  ちょっとお門違いだったかも・・・・。」

浩二「そうやって気付けるのは大事だよな。杏子が元気になったみたいでよかった。」

杏子「うん、ありがとう。さぁもう少し飲もっか!」

浩二「そうだねー。酔った杏子も可愛いからなぁ」

杏子「もうっ浩二ったら可愛い可愛いばっかり!」

浩二「いやぁーあははは。大学卒業して、就職して、少しして、お前が卒業して、こうやって俺と同じ会社に入ってさ・・

  嬉しいんだよ。妹が俺の背中追っかけてきてくれてるみたいで。本当に可愛いなぁって思ってるんだ。」

杏子「・・・妹?」

浩二「大学からの友達だけどさ・・・・。それに杏子だけだったんだよ。先輩だからって物怖じしないで話しかけてきてくれたの。

  うちの学校ってさ、結構みんな先輩は先輩、後輩は後輩みたいなとこあるだろ?まぁ、ああいう雰囲気も可愛くていいと

  思うんだけどさ。なんか苦手でな・・・」

杏子「えっと・・・浩二。私と初めて会ったのはいつだっけ・・・?」

浩二「え。覚えてないのか?大学入って杏子がサークル覗きに来た時だよ。」

杏子「え、まさか・・・覚えてないの・・・?」

浩二「えっ・・・?」

​杏子「私っ・・・・浩二と、大学で会う前にあったことあるよ」

浩二「・・・っえ?!」

杏子「だって私、それがきっかけで浩二の大学入って・・・・だから・・・私、浩二の近くにいたかったから・・・・」

浩二「きょ、杏子?」

杏子「そっか・・・そうだったんだ・・・でも・・・もう、いい・・・・いつかわかってくれるとか、いつかきっと浩二があたしのこと

  好きになってくれるとか・・・・いろいろ考えてたあたしが馬鹿みたいじゃないっ」

浩二「杏子・・・」

杏子「浩二が・・・悪いんだからっ」

浩二「杏子っ、ごめん、待ってくれ、俺っ」

杏子「待たないっ。浩二が悪い。浩二が・・・あたしの気持ちに気付いてくれないくせに可愛い可愛いって」

浩二「うわあああああっ!なんでいきなり脱いでっ・・・って!!パンツだけはやめてくれえええええ」

杏子「浩二も脱ぐのよっ」

浩二「待てっ!杏子!!まじでっ!!」

杏子「この状態で待てって言われて待てるわけ・・・・っえ?!ちょ、ノーパン?!」

浩二「お、俺はっパンツが嫌いなんだああああああああああああっ」

杏子「えっ、ちょ、浩二?!待ってっ!!」

浩二「うわっ!べふっ!!」

杏子「あ、ご、ごめん・・・っ」

​浩二「いってぇ・・・顔うった・・・っ」

杏子「大丈夫?ごめんね・・・なんか・・・」

浩二「・・・・もう、お婿に行けない」

杏子「こ・・浩二・・・・?」

浩二「・・・・・・・・・・・」

杏子「・・・あの・・何があったの?」

浩二「・・・・・っ」

杏子「・・・いや・・言いたくないなら・・いわなくていいんだけど・・・さ・・・」

浩二「・・・・・ん・・・わかった。聞いてくれる?杏子ちゃん・・・?」

杏子「・・・うん。」

浩二「・・・中学の時に、ノーパンがきっかけで・・・一回転校しなきゃいけないくらいひどいいじめがあったんだ」

杏子「あぁ・・やっぱり、今のは見間違えじゃないんだ・・・」

浩二「でもそもそも!!俺がパンツを嫌いになった原因は・・・同じ小学校の俺の2歳年下だった女の子が

  「あなたは今からパンツ仮面だからねー」ってその女の子のその時はいてたパンツをかぶせられて・・・

  それで・・・親呼ばれてっ・・・うっ・・・・ぐす・・・・それからみんな・・・口も聞いてくれないし、変態だって・・・」

杏子「・・・・ん?」

浩二「・・・俺、女の子もパンツも怖くて・・・だから、杏子なら・・・大丈夫だと思ったんだ!」

杏子「・・・・・ぁ」

浩二「杏子も・・俺のこと軽蔑する・・・?ノーパン男って・・・・蔑む?」

杏子「そんなっ!・・・そんなことないよ!!むしろ、私に・・浩二!私のことだけ見て!!」

浩二「杏子・・・」

杏子「あたし・・・あたしっ!!・・・浩二のことが好き!嫌いなわけ無い!嫌いなんて・・・」

浩二「杏子・・・俺のこと・・受け入れてくれるの・・・?」

杏子「うんっ!浩二!受け入れるよ!当たり前じゃない!!」

浩二「杏子・・・杏子ぉ・・・」

浩二「むにゃ・・・ぐぅ・・・」

杏子N「眠ちゃったか・・・・。でも・・・・・びっくりした・・・まさか・・・・私が浩二のパンツ嫌いの犯人だったなんて

  ・・・しかも・・・・わたしも覚えてなかったけど、大学前に会った以前に浩二と同じ小学校に通ってたなんて・・・。

  中学校から学校が違ったから気付かなかったよ・・・・。でも・・あれ?なんかすごく大事なことを忘れているような・・・?」

~回想シーン~

杏子M「浩二くん!どうして浩二くんいっぱいパンツ持ってるの?」

浩二M「え?そりゃあ、ミオ先生も~チヨちゃんも~タカコも~ミカちゃんも~ハルナも~イノちゃんも・・・クレハちゃんも!

   み~んなみ~んな!僕だーい好きだもん」

杏子M「杏子のことはー?」

浩二M「キョウコちゃんも好きだよー?可愛いもん。あ、じゃあ、キョウコちゃんのパンツも僕に頂戴?」

杏子M「どうするの?」

浩二M「パンツ仮面になって、大好きなみんなを守るんだよ!」

杏子M「そうなんだ!かっこいい!!じゃあね、杏子のパンツ被って悪い奴らをやっつけてくれる?」

浩二M「わかった!いいよ!じゃあ、キョウコちゃんのをかぶるね!」

杏子M「わぁー!あなたは今からパンツ仮面だからねー!かっこいいよ!浩二くん!!」

浩二M「キョウコちゃんのことも守ってあげるね!!・・・・あれ?先生?」

~回想終了~

Fin...........................

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